オーストラリアは最低賃金が世界で一番高いと言われています。
実際、2016年7月現在の最低賃金は$17.70
年々賃金は上がってきています。
しかし、すべての会社がこの賃金を守っているわけではありません。
中には、違法な低賃金を従業員に払っているところもたくさんあります。
賃金が高いので、どうにか出費を減らそうと最低賃金より安くスタッフを働かせようとする経営者がいるんです。
被害にあっているのは、圧倒的にアジア圏の人間です。
こういう違法賃金で働かせる経営者というのは
スタッフと同国の人
- 韓国レストランであれば韓国人経営者
- タイ料理レストランであればタイ人経営者
- 日本食レストランの場合は日本人経営者
という場合が圧倒的に多いです。
なので、日本人の場合は、ローカルの日本食レストランには注意が必要です。
日本人は英語が苦手な場合が多く、日本食レストラン以外の仕事を見つけるのが困難なため、被害にあいやすいんです。
自分と同じ国の人を違法で働かさせるなんてひどいですよね。
当時、英語を使って仕事がしたかったので、ローカルジョブを探していたのですが、なかなかいい仕事が見つからない状況が続きました。
貯金も少なくなってきたので、そろそろ仕事を選んでられないと思った時に、知人が日本食レストランでウエイトレスを募集していると教えてくれました。
履歴書を持って行ったらすぐ面接をしてくれたので
「もう日本食レストランでもしょうがない。ここで働きながら、次に出来そうな仕事を探そう」
と腹を決めました。
結局、面接で合格をもらい、次の日から仕事ができることに。
もちろん当時も今と同じように、日本食レストランは違法賃金のところが多かったので、ちゃんとしたお給料がもらえるとは思っていません。
当時の最低賃金は、時給16ドルくらいだったので、手取りで10ドル以上もらえたらいいなと思っていました。
面接のとき、経営者からお給料に関しての話は一切なし。
自分からも、給料に関しては切り出せなかったので、気になってはいたのですが、そのまま研修が始まりました。
結局1日研修が終わって、経営者に意を決して時給を聞いてみました。
そしたらなんと、そこのお給料
「7ドル」
7ドルです!!!
違法以外のなにものでもありません!!
耳を疑いました。
しかも、最初の1週間は研修だからお給料が出ないと。
「こんな環境で仕事をするためにオーストラリアに来たんじゃない!!」
と思い、私はその日本食レストランを1日でやめました。
私は性格上、あまり人の目が気にならないので1日でスパっとやめましたが、中には一緒に働いている従業員に悪いと思い、なかなか辞められない人もいるようです。
私のような失敗をしないためにも、面接のときにお給料を必ず確認しましょう。
きちんとした場所は、必ず給料を教えてくれます。
私が今まで見てきて思う事は、日本人は、面接で給料を聞く人がすごく少ないです。
実際、私も仕事を探していた時に、日本食レストランでの失敗をするまでは、面と向かって給料を聞いたことは一度もありませんでした。
仕事を手に入れる事に必死で、給料のことをちゃんと考えていなかったんです。
面接に受かったらお給料を聞こう。
面接でいきなりお給料のことを聞いたら失礼に当たるのではないか?
そう思って、いろんなレストランの面接を受けていました。
でも、後回しにすると、本当に後悔します。
私は、大切な1日と労働力を返せと思いました。
日本人の性格的に、お給料に関しては聞きにくい雰囲気があるかもしれないですが
私の経験上、給料は絶対に面接の時点で聞いておきましょう!!!
事前にお店にいくことでチェックできることも少しあります。
それは
「支払い時にクレジットカードが使えるかどうか」
という事です。
クレジットカードでの支払いは記録が残ります。
しかし、キャッシュでの支払いは記録に残りません。
なので、違法な賃金でスタッフに支払いを行っている場所は、店に来るお客さんもキャッシュでしか支払いが出来ないところが多いんです。
もし、レストランやお店で働きたい場合は、事前に行ってカードが使用できるか確認してみると良いかもしれません。
ただし、カードが使用できる違法店舗もあるので、一概には言えません。
オーストラリアには「フェアワーク」という機関があります。
フェアワークとは簡単に言うと、労使関係でトラブルが起きたときに相談する機関です。
全国職場法の遵守を監視し、違反行為について調査をしてくれます。
当時、英語があまり話せない中、雇ってもらっていたので、給料が安くても仕方がないと思っていたそうです。
当時の時給は9ドル。
しかし、そんな時、知人の中で「絶対に許せない事」が起こりました。
そして、他のスタッフと一緒に、その職場を訴えることにしたんです。
フェアワークに行く際は
「フェアワークに相談できるだけの情報を持っているか」という事が重要になります。
私の知人は、経営者が留守の間にタイムシートをコピーしたり
職場の衛生状況を写真に収めたり
経営者との会話を録音したりと、とにかく証拠をそろえました。
フェアワークは賃金のことだけではなく
オーストラリアの職場関係法に関するアドバイスと教育を提供してくれたり
職場での権利と義務に関する情報を発行してくれる機関でもあります。
知人は、経営者に突き飛ばされたこともあったので、そういったこともレポートでまとめてフェアワークに提出していました。
その結果、違法賃金で働かされていた期間の未払い分の給料を、経営者から取り戻すことができました。
- 本来支払われるべき給料が時給:$18.47
- 実際もらっていた給料が時給:$9
つまり差額の時給$9.47x3か月分を取り戻したことになります。
休日に働いた場合は、時給$46.18の支払い義務があったため、タイムシートが証拠となり、その給料も取り戻すことができました。
いくら、フェアワークで給料を取り戻せるとしても、それはそれで大変です。
実際私の知人は半年で未払い分を受け取ることができましたが、日本に帰った今も職場に関してフェアワークから質問事項の連絡メールが来ると言っていました。
また、海外の狭い日本人社会での出来事は、すぐ周りに広まるので、注意も必要です。
一度フェアワークで職場を訴えた人を雇おうとする会社は少ないですよね?
一番大切なのは、自分が仕事内容と給料に納得したうえで仕事を始めるという事だと思います。
たとえ違法賃金でも、自分が納得していれば良いですし、その場合トラブルにはなりにくいです。
せっかく海外で仕事ができる経験が、悲しいものにならないように気を付けましょう。